水素自動車はいかがなものか?トヨタ「ミライ」とテスラ「モデル3」を比較!
- 2020.01.02
- 電気自動車

こんにちは! トシです。
現在日本が巨額の資金を投入して普及させようとしている水素自動車=FCV。
FCVとEV、どちらがどのように優れているのか。
今回はトヨタの水素自動車「ミライ」と、テスラの電気自動車「モデル3」を比較してみます。
「ミライ」と「モデル3」の最大の違い
ミライとモデル3の最大の違いは「エネルギー媒体の形」です。
ミライもモデル3もモーターに電気を送って走行しています。
巨大なバッテリーにため込んだ電気で走るモデル3に対して、ミライは供給された水素から空気との科化学反応から得られる電気で走行します。
溜めた電気で走るか、水素から電気を生成して走るかの違いがあります。
水素はエネルギー密度という点で電気より優れています。
ミライとモデル3を比較!
スペック比較 | トヨタ ミライ | テスラ モデル3ロングレンジ |
最大出力(ps) | 155ps | 408ps |
最大トルク(N.m) | 335N.m | 600N.m |
0-100㎞/h | 9.5秒 | 4.6秒 |
航続距離(WLTP) | 600㎞ | 560㎞ |
車両重量(㎏) | 1850㎏ | 1847㎏ |
最高速度 | 175㎞/h | 233㎞/h |
駆動方式 | FWD | AWD |
乗車店員 | 4人 | 5人 |
車両価格 | ¥7,409,600 | ¥6,552,000 |
減税+補助金 | ¥2,250,300 | ¥731,760 |
差引価格 | ¥5,159,300 | ¥5,820,240 |
ミライもモデル3ほどではないにしろ大きなバッテリーを搭載しています。
ですが、バッテリー容量の大きいほうが瞬間の電気出力を出せるので、ミライとモデル3では圧倒的なパワーの差が生まれます。
それは加速性能や最高速に大きく影響します。
ミライがFWDに対してモデル3はAWDです。パワーもトラクションも圧倒的にモデル3が優れていて、「走行性能」という点では比較になりません。
乗車店員や積載能力も5人乗れてフランクも備えるモデル3が優位です。
価格はミライに軍配
車両価格こそモデル3よりミライのほうが高額ですが、国が普及させようとしているFCVであるミライは補助金がとても手厚いです。
しかもトヨタの4年のリース制度を使えば車両価格の50%で4年後にトヨタが買い取ってくれるので、ユーザーの負担は4年間で
[車両価格¥7,409,600]×50%-[減税+補助金¥2,250,300]=¥1,454,500
で乗ることができます。年間の支払いは約36万円に抑えられます。
初期費用としてはお財布にかなり優しいクルマです。
問題はエネルギーの補給について
テスラ専用の急速充電器「スーパーチャージャー」は2020年1月時点で全国に22か所しかありません。
対してミライのエネルギー元である水素を充てんできる「水素ステーション」は、2019年8月時点で全国に109か所あります。
ミライのほうが優位そうですが、モデル3はリーフなどが利用するチャデモ急速充電器でも充電できますし、自宅やショッピングモールなどの普通充電器でも充電できます。
ミライは寝ている間に水素の補給はできません。全国に109か所しかない水素ステーションに出向く必要があります。
モデル3は自宅でいびきをかいている間に充電できます。
エネルギー補給という点はEVであるモデル3が圧倒的に有利です。
水素ステーションの営業時間は気まぐれ
充電スポットは年中無休24時間充電可能のスポットがほとんどです。
対して水素ステーションは平日しか営業してなかったり、夕方5時までしか営業していないなど、使い勝手が悪いです。
せっかくの休みの日にステーションが営業してなかったら、安心して遠出もできません。
しかも近場に水素ステーションがなければ日常使用も不安です。
全国109か所では全然足りません。
エネルギー補給にかかる時間は?
ミライは5分程度で水素タンクを空から満タンまで補充できます。(条件により異なる)
5分の補充で約600㎞走行できます。
対してモデル3はスーパーチャージャーを利用して、バッテリー残量20%⇒80%まで30分ほどかかります。
つまり30分の充電で約330㎞走行できます。
エネルギー補給という点ではミライが優位です。
ですがモデル3の充電は運用次第なので、充電中に食事休憩などをすれば実質の充電時間は0分と同じです。
EVであるモデル3は「ながら充電」ができる強みがあります。
ランニングコストはどうか?
構造上ミライもモデル3も消耗品はほとんどありません。タイヤやワイパーゴムくらいです。
ランニングコストは水素と電気で大きな差があります。
・トヨタ ミライ
ミライは車両の水素タンクを満タン補充にするのに4300円かかります。
WLTP換算で約600㎞走行できるので、
600㎞÷4300円=6.6円/㎞
となります。
・テスラ モデル3
今回比較対象にしているモデル3ロングレンジは150Wh/kmくらいの電費です。
自宅充電の場合1kWhあたり約20円です。
150Wh/km÷1000Wh×20円=3円/km
ミライの半分の費用で走行できます。
スーパーチャージャーのような急速充電を使用しても3~4円/km程度のランニングコストで済みます。
購入した後のコストはモデル3のほうが優れています。
まとめ
FCVはまだまだ発展途上です。現状では水素ステーションが圧倒的に足りません。
性能もまだまだEVに劣ります。
現状FCVを買えるのは
- そこまで遠出はしない
- 自宅近くに水素ステーションがある
- 走行性能の高いスペックはいらない
以上の条件を満たせる方だけでしょう。
FCVは本来
太陽光や風力などの自然エネルギーからできた余剰な電気を、一旦水素に変換して貯蔵・運搬できる。
余剰電気をバッテリーに溜めるより、エネルギー密度に優れる水素にしたほうがスペースやコストに優れる。
という目的があります。まだまだ土台の整っていない日本では運用は難しいのが現状です。
なので皆さんテスラ モデル3を買いましょう!(笑)
-
前の記事
「スポーツカー乗り」こそテスラに乗ってほしい!テスラをオススメする4つの理由 2020.01.01
-
次の記事
「何かとガラスにこだわるテスラ」また新しい特許を申請! 2020.02.09