テスラはポルシェに勝てるのか?!タイカンがモデルSより優秀な4つの要素

テスラはポルシェに勝てるのか?!タイカンがモデルSより優秀な4つの要素

こんにちは!トシです。

ポルシェから初の完全電気自動車「タイカン」が発表され、ドイツの世界的サーキット「ニュルブルクリンク」の走行がされました。

タイカンのニュル走行に触発されてテスラもニュル走行を表明しました。

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ポルシェのEV「タイカン」に負けじとテスラもニュルブルクリンク走行を表明!

モデルSはタイカンに勝てるのか?

タイカンのニュル走行タイムは「7分42秒」です。モデルSはこのタイムより速くコースを一周する必要がありますが、

正直モデルSが勝つのはかなり厳しい

です。タイカンはかなりスポーツ走行を重視した作りになっているのに対し、モデルSはラグジュアリーEVセダンの位置づけです。

そもそもの車両価格もタイカンのほうが2倍近く高価なので、モデルSの装備がタイカンより貧相なのは必然です。

加速こそはモデルSのほうが速いものの、サーキットのような連続高負荷走行に耐えられるように作られていません。

そもそもポルシェとニュルブルクリンクはどちらもドイツ国内のものです。ポルシェにとってホームコースであり、車両開発の拠点となっているニュルブルクリンクの走行経験は、他の自動車メーカーと比較しても豊富です。

タイカンとモデルSのスペック比較

比較表 モデルS タイカン
グレード パフォーマンス ターボS
車両価格 1,258万~ 2200万~
全長 4979㎜ 4963㎜
全幅 1950㎜ 1966㎜
全高 1445㎜ 1378㎜
フロントトレッド 1661㎜ 1690㎜
リアトレッド 1699㎜ 1655㎜
車両重量 2241㎏ 2370㎏
空気抵抗Cd値 0.23 0.25
バッテリー容量 100kWh 83.7kWh
航続距離(WLTP値) 590㎞ 412㎞
最大出力 790ps 761ps
最大トルク 914N.m 1050N.m
0-100加速 2.6秒 2.8秒
0-200加速 10.5秒 9.8秒
最高速度 250㎞/h 260㎞/h
駆動方式 AWD AWD

よりスペックが近いモデルSパフォーマンスとタイカンターボSを比較しています。実際にニュルを走行したタイカンもターボSです。

タイカンのバッテリ総容量は93.4kWhだが、実際に使用できるバッテリー容量は83.7kWhとなっています。車両重量もEU規格表記なので、実際の車両重量は2995㎏となります。

最高出力やバッテリー容量、加速性能だけ見ればモデルSのほうが優秀です。走行性能に大きく影響する車両重量でさえタイカンより50㎏ほど軽いです。

タイカンがモデルSより優秀な要素

では、タイカンがモデルSより優秀な4つの要素をご紹介します。

その1:ブレーキ性能は圧倒的にタイカンが勝る

https://twitter.com/hashtag/taycanturbo

モデルSはブレンボ製の4ポッドブレーキを前後に装備し、ブレーキローターは前後とも355㎜サイズを装備しています。一般的なクルマと比べたら巨大なブレーキシステムです。ですが、、、

タイカンはさらに巨大な「ポルシェ セラミック コンポジット ブレーキ(PCCD)」というブレーキシステムを採用しています。

PCCBでは、そのパフォーマンスポテンシャルに合わせたサイズが選択されています。クロスドリル加工されたセラミック製ブレーキディスクの直径はフロントが420 mm、リアが410 mmで、いっそう強力なブレーキングパフォーマンスを発揮します。アルミ製モノブロックの固定式ブレーキキャリパーはフロントが6ピストン、リアが4ピストンで、いずれもイエローに仕上げられています。きわめて強力で安定した制動力を約束します。PCCBは公道でもサーキットでも、厳しい状況下においても短い制動距離を実現します。優れた耐フェード性能のおかげで、ハイスピードブレーキング時の安全性も向上しています。

PCCBにはほかにも重要なアドバンテージがあります。セラミック製ブレーキディスクがきわめて軽いという点です。同様の構造とサイズのスタンダードディスクに比べると、重さは半分ほどです。このディスクの軽量化は動力性能の向上と燃焼消費の改善に寄与するだけでなく、バネ下重量と回転質量の軽減にも大きな役割を果たします。結果として、ロードホールディング性能の向上と、快適性、特に不整路での乗り心地の改善につながります。さらに敏捷性アップ、ハンドリングの向上にも。

引用:https://www.porsche.com/japan/jp/models/taycan/taycan-models

タイカンの装備するPCCBは、モデルSのブレーキシステムより

  • 耐フェード性(ブレーキ熱の許容量)
  • 軽量によるイナーシャ(慣性)の減少
  • 絶対的な制動性能

が圧倒的に優秀です。タイカンの2995㎏もある車重をものともせず、最強のブレーキ性能を発揮します。このブレーキはポルシェディーラーで購入すると300万円ほどするそうな。。。

モデルSだと車重に対してのブレーキサイズが小さすぎるため、スポーツ走行をするとすぐフェード現象をお越し、ブレーキが利かなくなるでしょう。

その2:タイカンはタイヤが太い

https://www.porsche.com/japan/jp/models/taycan/taycan-models/

タイヤサイズ モデルSパフォーマンス タイカンターボS
フロント 245/35ZR21 265/35ZR21
リア 265/35ZR21 305/30ZR21

タイヤサイズはモデルSよりタイカンターボSのほうがかなり太いです。

タイヤの太さはコーナリング性能・トラクション性能を大きく左右します。タイヤを太くするだけで一周2kmほどのサーキットでも2~3秒ほど簡単にタイムアップできてしまいます。

ニュルは一周20kmを超える超長距離コースです。タイヤのサイズアップの恩恵は絶大でしょう。

その3:トレッド幅やホイールベースがスポーツ走行向き

出典:アウディ

「トレッド幅」とは左右のタイヤの中心間の距離のことで、モデルSはリアのトレッド幅が広くなっています。これは高速走行やロケット加速をした時の安定性を重視した設計のためです。

対してタイカンはフロントのトレッド幅を広くなるように設計しています。これはコーナリング性能を重視し、コーナーをより速く曲がるためです。フロントのトレッド幅が広いとタイヤの踏ん張りが効くので、よりニュートラルステアに近いコーナリングができるようになります。

ホイールベースは前後タイヤ間の距離のことで、ホイールベースが長いほど高速走行が安定し、曲がりにくいクルマになります。逆に短いほど高速走行でふらつくようになりますが、小回りが利くのでコーナリング速度が上がります。

タイカンのホイールベースはモデルSより60㎜短いです。「たったの6㎝?」と思うかもしれませんが、その影響は以外にも大きいです。

その4:モーターの特性とトランスミッション

https://www.electrive.com/2019/09/04/porsche-taycan-finally-revealed/

モデルSのフロントモーターは永久磁石式モーターで、リアはAC誘導式モーターです。永久磁石式モーターはコイルに流す電気がAC誘導式モーターより少なくて済むので、モーターの発熱量が少ないです。

タイカンは前後とも永久磁石式モーターを採用しています。リアがAC誘導式モーターであるモデルSは発熱量が多いためモーターの熱蓄積が早く、走行開始後数分でモーターの出力制御がかかってしまいます。

出力制御がかかると加速力が著しく悪くなるので、好タイムを出すのはかなり難しくなります。

また、タイカンはリアのモーターにEVとしては珍しい2段式のトランスミッションを採用しています。高速域ではスピードの伸びが悪くなるモーターの特性を、トランスミッションを設けることで解消しています。

現にモデルSとタイカンの0-100km/hはモデルS2.6秒、タイカン2.8秒なのでモデルSのほうが早いです。0-200km/h加速となるとモデルSが10.5秒、タイカンが9.8秒とモデルSより0.7秒早くなっています。

タイカンのニュルタイムにモデルSが勝つには?

モデルSが勝つには4つの要素を改善する必要があります。

  1. ブレーキ性能
  2. コーナリング性能
  3. トレッド幅やホイールベース
  4. モーターの発熱問題と高速域の伸び

ブレーキを大きくしてストッピングパワーを強化しないとニュルではお話になりません。タイヤも太くしてコーナリング性能の向上は必須です。モデル3のようなトラックモードをモデルSにもインストールする必要もあるでしょう。

ホイールベースはどうすることもできないので、せめてワイドボディ化などをしてタイヤ幅の拡大とトレッド拡大をしたいところです。

モーターの発熱問題はタイカンと同じく永久磁石式モーターに変えるか、冷却性能を強化しないとパワー制御が入ってしまうかもしれません。

まとめ

ノーマル状態ではモデルSの勝ち目はないと言えます。そもそもの車両価格がタイカンは2倍近くしますので装備自体豪華ですが、この価格差でも勝ちに行こうとしているテスラの意地を感じます。
モーターやバッテリー、EVテクノロジーのノウハウはテスラが勝っているので、ワンチャンあるかもしれませんね。

ぜひモデルSには奮闘してもらいたいですし、このニュル走行経験を生かして、モデル3のトラックモードや次期テスラ車に走行で得た要素をフィードバックしてもらいたいです!