【テスラ】最高の衝突安全性とバランス!モデル3のボディの秘密に迫る!
- 2019.07.25
- テスラ

こんにちは!トシです。
モデル3は世界でもっとも安全なクルマです。NHTSAやEURO NCAPで最高評価の星5を獲得しています。衝突性能の高いクルマにしかもらえない称号です。
今回はそんな安全性能の高いモデル3のボディの秘密に迫ってみます。
モデル3はアルミとスチールを組み合わせたボディ
モデルSとモデルXはボディのほとんどをアルミで作り上げています。対してモデル3は世界的には珍しいアルミとスチール(鉄)をうまく組み合わせたボディをしており、コストと強度・軽量化のバランスを取っています。
同じ体積ならアルミはスチールのおよそ3分の1の重さしかありませんが、実は強度も3分の1しかありません。「だったらスチールとアルミ、どっちを使っても一緒じゃない?むしろ体積が増えてデメリット?」となりますが、アルミの性質上剛性を高くすることができます。
重量が3分の1で強度も3分の1のアルミはスチールと同じ重量の時3倍の体積が必要となりますが、剛性は9倍にまで上がります。
厳密にはスチールより軽く作る為もっと体積を減らしますが、スチールで作るより数倍剛性の高いクルマを作ることができます。また、同じ剛性ならスチールよりかなり軽くすることができます。その分鉄よりコストが高く製造が困難になります。
モデル3のボディは?
モデル3の鋼材分布になります。
- シルバー アルミニウム
- ブルー ノーマルスチール(一般的な鋼板)
- イエロー ハイテン材(高強度の鋼板)
- レッド 超ハイテン材(さらに高強度の鋼板)
モデル3はリアの部分にアルミを多用しサイドのメインフレーム内、フロントオーバーハングの先端にアルミを使用しています。あとはメインフレームに「超ハイテン材」を使用しそれ以外を「ハイテン材」が占めています。一番外のアウター面は「ノーマルスチール」で構成されています。
「ハイテン材」や「超ハイテン材」はノーマルスチールを高圧プレスして強度を上げたり、熱処理の加工を施し原子レベルで強度アップを施したスチールになります。同じ体積でも強度を数倍に上げることができます。
全部超ハイテン材で構成すればいいのでは?
衝突安全性にボディの強度や剛性は必要不可欠です。ですが、強度が高いということは「加工性」に劣るということになります。素材が固すぎてボディの造形が難しくなるのです。コストも上がるので車両価格も上がってきます。
また、キャビンや乗客への被害を最小限にするため、衝突した時に衝突のエネルギーをどこかに逃がし吸収する必要があります。衝突エネルギーは強度の低いところ・やわらかいところに逃げるので、あえてフレームの一部にハイテン材やノーマルスチールを設け、そこでエネルギーを吸収する役目を持たせます。
アウターはノーマルスチール
アウター面は一番強度の低い「ノーマルスチール」で構成されています。理由は「加工性の高さと修復のしやすさ」です。
アウター面は「キャラクターライン」やボディの丸みを出すため加工性が重要となってきます。1枚の巨大な板なので歪みやひずみが出にくくプレス加工しやすいノーマルスチールが適しています。
また、ぶつけた時や傷・凹みをつけた時も他の鋼材より柔らかいので修復がしやすいメリットがあります。
他にもボディ剛性に関係ない部分はノーマルスチールでコスト削減をしています。
リアにアルミを多用している理由は?
モデル3はリア周りのほとんどをアルミニウムで構成しています。理由はズバリ「軽量化」です。
モデル3のAWDは前後の重量配分が50:50の理想形!(RWDは48:52)
EVはフロントにエンジンが無くフロア下にバッテリーを搭載しているため比較的リアが重いレイアウトをしています。フロントが軽くてリアが重いと前輪の接地感が弱くなります。テスラのような強烈な加速をするクルマはフロントのリフト量が大きく、フロントの接地感は顕著に弱くなります。
そのためリア周りにアルミを多用して軽量化をすることにより、重量配分50:50という理想形を実現しています。この重量配分は重量の片寄りやすいガソリン車での再現は難しく、BMWなど一部の車両にしか実現できていません。
50:50はさながらスポーツカー!
この重量配分はスポーツ走行において運動性能に直結し、速く走るためには必要な要素です。バランスの良さはコントロール性にも直結しています。
車両先端にアルミニウムを使用しているのも軽量化をしつつ重量配分を50:50に整え、フロントオーバーハングの軽量化をしています。
前輪より前側のフロントオーバーハングを軽量化するとコーナリングでフロントが機敏に動き、ノーズの入りが良くなります。つまり、コーナリング出口に車体がグイグイ曲がるので、コーナリング速度が上がり素早く曲がることができます。
フレームサイドのアルミ材はバッテリー保護を兼ねる
テスラはバッテリーも衝突性能に役立っていますが、あまりにも強い衝撃でバッテリー内部を著しく損傷した時バッテリー火災の恐れがあります。
仮にフロントやリアが衝突したとしても対衝突物との距離があるので、うまく衝突エネルギーを吸収しバッテリーを保護します。側突の場合バッテリーまでの距離が短いので、バッテリーを保護するためにも超ハイテン材とアルミを使い剛性と強度のアップをしています。
まとめ
モデル3はリア周りにアルミを多用したコストとバランス、安全性能の高いボディです。
- 異なる鋼材でエネルギーの流れを操作
- 異なる鋼材でコストの低減をしつつ高剛性
- アルミの有効活用で50:50の重量配分を実現
以上がモデル3のボディに隠された秘密でした。
モデル3はテスラの最高傑作ともいえる仕上がりで、弱点のない最高のクルマです!
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