テスラ モデル3が250kwhもの超高速で充電できる3つの理由

テスラ モデル3が250kwhもの超高速で充電できる3つの理由

こんにちは!元アンチEVのトシです。

EVを購入するとき急速充電のスピードって気になりますよね?

テスラのモデル3をテスラ専用急速充電器「V3スーパーチャージャー」(以後V3SC)で充電すると、リーフの5倍となる「250kwh」もの電力で充電し、15分で約270kmほどの充電が可能です。

では、なぜモデル3は250kwhもの超高速で充電できるのか?3つの理由をご紹介します。

V3スーパーチャージャーとは?

V3SCはテスラの新しい急速充電機で、モデルS・Xは145kwhまで。モデル3が250kwhの速度で充電できる超急速充電機です。

15分で約270km分もの航続距離を充電でき、20分足らずでSOC20%→80%まで充電できてしまいます。

2019年5月現在V3SCは日本国内には設置されておらず、アメリカのみとなっています。

日本もモデル3の発売を皮切りに設置が進んでいく計画です。

V3SCの充電時間やスペックはこちら

V3SCの充電料金についてはこちら

モデル3が250kwhもの超高速で充電できる理由

急速充電を行うとバッテリー内部が発熱します。温度が上昇しすぎるとバッテリー内部を損傷してしまうため、充電速度を落として発熱を抑制しています。

また、充電が進むにつれてバッテリーの内部抵抗が上昇するのでより発熱しやすくなります。スマートフォンも充電が進むと熱くなっていることがありますよね?

モデル3はモデルSモデルXとバッテリーの構造が異なります。充電時に発生するバッテリー内部の発熱を、効率よく冷却し温度上昇を抑制する構造をしています。

モデル3のバッテリー構造についてはこちら

その1:冷却配管1本に対してのセル数の違い

出典:https://insideevs.com/

テスラ車はすべて水冷式のバッテリーを搭載しています。初期のモデルSは1モジュールあたり444個のセルがあり、これをたった1本の冷却配管で冷却を行っていました。

これだけ多くのセルを1本の冷却配管で冷やそうとすると、前半部分はよく冷えますが後半にかけてセルの熱を吸収していき蓄熱していくのでどんどん高温になっていきます。

そのため後半部分をうまく冷却しきれず、そこの温度で充電速度は決まってしまいます。

1モジュール=444セル

出典:https://insideevs.com/

フェイスリフト後の100kwhのバッテリーを搭載したモデルS・Xは、バッテリー内部の構造改善で1モジュールあたり516セルまで増やし容量をアップさせました。

セル数増加に伴い冷却配管を1モジュールあたり2本に増やすことで冷却性能向上を果たしました。それでも冷却配管1本あたり258セルを冷却しているので、満足に充電速度を上げることができず、充電速度は145kwh止まりとなります。

これでも初期モデルより冷却性能は高いので、充電速度も速くなっています。

出典:https://insideevs.com/

モデル3に至っては1モジュールあたり7本もの冷却配管で冷却を行っています。モデル3のバッテリーは4モジュールで構成され、1モジュールあたり1058個or1150個のセルを内臓しています。これを

大きいモジュール1150セル 1150÷7=164セル

小さいモジュール1058セル 1058÷7=151セル

1本の冷却配管で164セルの冷却を行っています。初期モデルSに比べたら1/3のセル数です。

モデル3は冷却配管1本あたりの冷却するセル数が少ないので、蓄熱量が少なくより多くの熱を吸収することができ、温度上昇の抑制ができています。

その2:冷却配管の接地面積アップ

https://www.dnkpower.com/teslas-mass-production-21700-battery/18650-2170-compare/

モデルS・Xは18650というセルを採用していますが、モデル3は2170というセルに変更され、セルの長さ・直径が大きくなっています。

これにより冷却配管への接地面積が増加し熱伝導率を高めています。

その3:冷却水流通の高速化

https://jalopnik.com/the-tesla-model-3s-superbottle-easter-egg-is-a-fascin-1830992728

 

モデルS・Xの冷却配管はバッテリーモジュール内をジグザグに巡り、配管が長く冷却水が回る速度が比較的遅い構造をしています。

モデル3はバッテリーモジュール内を直線的に通過するため、冷却水の入れ替わりが速く内部の冷却を積極的に促しています。

ラジエーターとチラーにより冷やされた冷却水がどんどんバッテリー内を冷却するので、温度に対してかなり許容能力が高いです。

チラーとは?

エアコンを稼働させ、エアコンにより冷却水を冷やす装置です。ラジエーターはその時の外気で冷やしますが、チラーはエアコンにより強制的に低温まで冷やすことができます。この装置でバッテリー内を大幅に冷却することが可能です。モデルS・Xにも備わっています。

 

まとめ

モデル3はバッテリーの冷却性能がものすごく高いです。

  • 冷却配管1本あたりのセル数が少ない
  • 冷却配管とセルの接地面積が広い
  • 冷却経路の短縮と高速化

以上の3つで冷却を促進しています。

そのため250kwhという電力で充電しても、発熱に対して効率的に冷却できるため超高速での充電を可能としています。

やっていることは発熱に対して冷却と単純ですが、いかに効率よく迅速に冷却するかを追求した結果250kwhでの充電を実現しました。

また、これだけ冷却性能が高いということは冷間時の加熱性能も高いということです。冷間時にバッテリーを早く加熱できれば本来の性能を素早く発揮でき、温度による充電制限もなくなります。

モデル3はEVのネックとなる充電の常識を根本から覆す、そんなクルマです。